壁にぶつかっても、
あきらめずに作り続ける事、
活動し続ける事が何よりも大切。古澤真治さんインタビュー

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ジュエリー・アクセサリーづくりの講師として教室や工房運営に励んだり、
技術やチャンスを活かしてアーティストとして活躍している会員の声をご紹介します。

Interview

ケルヒ仙台ジュエリースクール古澤真治さん

壁にぶつかっても、
あきらめずに作り続ける事、
活動し続ける事が何よりも大切。

独学で彫金を修得し、彫金、アートワックスを教える工房、そしてジュエリーブランド「KELLCH」を運営される古澤真治さん。仙台で工房運営、ブランド活動と活躍される古澤さんにお話をお伺いしました。

ジュエリークリエイターになった、またはなろうと思った経緯を教えて下さい。

古澤さん:大工だった父の影響もあり、昔からモノ作りが好きで、木工家具やビーズアクセサリーなどを趣味で作ってました。ある日、ビーズ関連の本を見てた時、「彫金」の本が目に留まりました。開いてみると、金槌やヤスリなど、馴染みのある道具ばかりが並んでおり、その日からさっそく始めることにしました。
しかし、彫金を始めた、平成7年当時の仙台には、教えてくれるところはもちろん、 道具も材料も買えるところはありませんでした。最初に作ったものと言えば、DIYショップから購入してきた「アルミ」を、糸鋸で切って、曲げてロウ付けして作った、「アルミの指輪」です。以来、彫金とワックスを並行して独学で勉強することになりました。

ジュエリークリエイターとして活動することで、得ることができた貴重な体験や関係、素敵だなと思えることについて教えて下さい。

古澤さん:夜、イタリアンレストランでアルバイトをしながら、日中はジュエリー制作。バイトが休みの日を見て、仙台市中心部のアーケード内で路上販売を行っていました。そんな生活の中で、幸運だったのは、数人の先輩職人さんと出会うことができたことです。いろんな技術やノウハウを教えてもらったり、工具を頂いたり。教えてもらったことはノートに書き留め、今でもそのノートを大事にしています。

今後、ジュエリークリエイターとして更に挑戦したいことを教えて下さい。

古澤さん:ジュエリー制作に関して、私と同じように、 材料や道具、正しい知識がなく、前に進めない方がたくさんいると思います。時代の流れとともに、いろんな機械や工具、技術が開発されていますが、古くから存在する技術も含め、私自身が広い視野でそれらを吸収し、製作者みんなで共有したい。そんな中で新たな作品ができあがり、より多くの方に喜んでもらえると思っています。

好きなことを仕事にするということについて、その喜びや苦労等を教えて下さい。

古澤さん:ある人に、「背中を押されていると、良い作品はできない」と言われました。独学で試行錯誤しながら仕事をしてきたせいか、いつの間にか目先の利益だけを追いかけている自分がいる事に気づき、全くその通りだと思いました。
上手くいく時より、上手くいかない時のほうが多い仕事かもしれませんが、好きな仕事ができた時の達成感、お客様から「ありがとう」と言われた時の嬉しさ、身に着けているお客様が喜ぶ顔、そんなちょっとした事が幸せです。

ご自身のアトリエ(教室)の活動について、生徒さんのことや、教える上で気を付けていること等を教えて下さい。

古澤さん:生徒さん1人1人の技術力とやりたい事を見ながら、ワクワクできる事を一緒に考えてあげたいと思っています。最初は、技術を少しずつ教えてあげて、ある程度作れるようになったところで、「誰かにプレゼントできるものを作りましょう」とか、「自分のブランドを考えてみたら?」とか。そして、上手にできた時は「上手い!」「素晴らしい!」と、心から褒めてあげたいと思っています。

ご自身の作品創作活動について、どのような作品をつくっていらっしゃるか、またどのような販売活動をされていらっしゃるか教えて下さい。

古澤さん:「愛」「幸せ」の象徴でもある、「聖杯」がトレードマークのブランド「KELLCH(ケルヒ)」として活動しています。ケルヒのコンセプトは、デザイナーでも商品でもなく、お客様の感動、身に着ける楽しさ、贈る喜び、職人のこだわり・・・そんな、ちょっとした「幸せ」を提供するビジョンそのものです。
利用される様々なシーンを考え、ファッションジュエリー、モチーフもの、ブライダルリング等、お客様に合わせた商品製作を行っています。現在は、工房兼店舗での直接販売、通販での販売を行っていますが、今後は展示会等にも力を入れていきたいと思っています。

アートワックスをはじめた経緯について、これまでの創作活動からの発展性や、アートワックスに対する期待感などを教えて下さい。

古澤さん:アートワックスの説明会に参加して、実際にアートワックスとシンプルな道具を見た時、正直、もの足りなさを感じました。しかし、実際に取り組んでみると、ワックスの技術を突き詰めた結果のものである事を実感。プロの技術である事に変わりはないのですが、初心者の方でも始めやすく、その可能性が大きい事に気づかされました。

今後アートワックスを使ってどのような創作活動をしていきたいか、また現在どのような活動を行っていらっしゃるか教えて下さい。

古澤さん:私自身、アートワックスはどんどん取り入れていこうと考えていますが、当スクールの生徒さんにも積極的に教えていきたいと思っています。また、アートワックスとハードワッックス、彫金、CADの混合技術による製品作りにも、力を入れていきたいと思います。

ものつくりに対する思いやこだわり、ものつくりのどこが魅力なのか等、教えて下さい。

古澤さん:身に着ける人、プレゼントとして贈る人、贈られる人、そんな人達の表情やシーンを思い浮かべながら作り続けていきたいと思っています。ただの材料の状態から原型を作り、仕上げて製品となり、お客様の手に渡る過程が大好きです。
独立して7年くらい経過したある日、路上で販売していた時代に買って頂いたお客様に出会った時がありました。びっくりしたのは、当時販売した指輪をはめていた事です。お客様に聞いてみると「気に入ってずっとつけています」と一言。涙が出るほど嬉しかった。何年何十年経っても残り続ける「貴金属」という素材の魅力も改めて実感しました。

日々、ひとりの人間として気にしていること、大切にしていること等を教えて下さい。

古澤さん:家族を一番に考えています。妻と息子との3人暮らしですが、家族がいたから頑張ってくることができました。これからも支えあって生きていこうと思っています。
そしてスタッフ。時には衝突してしまうこともありますが、自分のやってきた事や、これからやりたい事をみんなで共有し、一緒に成長できたら、きっといい結果に繋がると思う。1人1人の個性を大事にしながら、いろんな経験をしてもらいたいと思っています。
私自身は、目標を見失わないように、また、やりたい事がブレないよう気をつけたいと思っています。例えば、仕事以外で、何かワクワクできる事を見つけたり、たまには1人で店頭に立ってみて原点に振り返ったりとか。私が忙しいと周りが見えなくなってしまうので・・・前向きに、サボります(笑)。

これからジュエリークリエイターを目指す方にメッセージをお願いします。

古澤さん:活動を続けていると、デザインで悩んだり、成果が出なかったりと、いろんな壁にぶつかると思います。時には、作ることが嫌になる時もあると思いますが、あきらめずに作り続ける事、活動し続ける事が何よりも大切だと思っています。嫌になった時は、別の事をやって一旦リセットする。ふと立ち止まった時、自分のやってきた事を振り返ってみると、困難を乗り越えた事が経験となり、成長している自分に気づくでしょう。

これからアトリエ(教室)運営をはじめる方にメッセージをお願いします。

古澤さん:自分の持っている技術とノウハウをどこまで教えるか悩んだことがありました。時間をかけ、苦労して培ってきた経験と技術ですから、簡単に真似をされてたまるか!と思ったりした時もあります。しかし、山田先生にあった時、自分の技術を惜しみなく教える姿勢を見て、その迷いはなくなりました。技術とノウハウを惜しみなく教え、何でも相談してもらうことで、生徒さんからもたくさんの事を教わりますので、生徒さんとの関係をいつまでも大事にして頂きたいと思います。